1980年代に日本に入ってきたインプラント治療は、その快適さからあっという間に普及し、今ではすべての歯科医院のうちの20%で行われるようになりました。
インプラントのメリットは、何といっても自然な噛み心地と美しい見た目です。

インプラント治療は、歯のない部分に行います。
レントゲンやCTといった検査を行い、骨のある部分にチタンを手術によって埋め込み、その上に人工のかぶせ物をする治療です。
骨とチタンは結合するので、自然な噛み心地を感じることができ、かぶせ物はセラミックを使用するので見た目もきれいです。
けれども、いままでのインプラントは、失った歯の本数が多ければ多いほど、たくさんのチタンが必要になりました。
無歯顎といって、まったく歯のない患者さんの場合、チタンを埋め込む身体的負担に加えて、治療費もその分高くなってしまいました。

そこで、オールオン4という治療が登場しました。
オールオン4もインプラント治療のひとつですが、上の歯が全くないという無歯顎の場合、たった4本のチタンだけで全てのかぶせ物を支えることができるという治療です。
もちろん、下の歯が全てない場合も4本のチタンで治療できます。
上下の歯がまったくない場合は、上に4本、下に4本のチタンが必要になります。

オールオン4は患者の負担を軽減する

オールオン4により、患者さんの負担軽減につながりました。
身体的な負担軽減はもちろん、経済的な負担軽減にもなり、無歯顎の患者さんでも安心してインプラントが受けられるようになりました。
ボロボロになって、抜けそうな歯を抜歯し、抜歯した日にオールオン4の手術を行うということも可能です。
これにより、治療回数を減らすことができ、より便利に治療が出来るようになりました。

通常のインプラントでは、チタンを埋め込んでからしばらくは、骨と結合するのを待つ必要があります。
けれども、オールオン4は、手術をしたその日のうちに仮歯まで作成することができます。
仮歯でも見た目はきれいになるので、歯のない期間がなくなります。
仮歯を作るために来院する必要もなくなるので、治療回数も減らすことができます。

チタンの数が少ないので、待つ期間も少なくなり、短期間で最終的なかぶせ物に移行できるというメリットもあります。
オールオン4は、患者さんにやさしいインプラント治療であるということが分かります。
患者さんの状態に合わせて、使用するものを変えることで、最適な治療が可能になります。

日本人向けのオールオン6というのもある

オールオン4は、欧米で誕生したインプラント治療です。
欧米人の骨格に合わせて作られていて、4本のチタンですべてのかぶせ物を支えられるように設計されています。
欧米人の骨というのは、日本人と比べると、とてもしっかりとしています。

そのため、日本人の骨に4本のチタンだけで支えようとすると、噛む力に耐えられなくなってしまうことがあります。
そこで、オールオン4を日本人向けにしたのが、オールオン6という治療です。
オールオン6は、4本のチタンではなく、6本のチタンで支えるという治療です。
噛む力が分散されるので、1本あたりの負担が軽くなり、骨へのダメージがなくなります。

オールオン6にすることで、チタンが増え、かぶせ物が安定するというメリットがあります。
上の歯も、下の歯の場合でも同様ですので、上下を希望すると、上の歯に6本、下の歯に6本のチタンを埋め込み、合計で12本のチタンが必要になるということです。
噛む力が安定すると、好きなものが食べられることはもちろん、繊維質など噛み切りにくいものを噛めるようになります。

オールオン6の治療は、基本的にはオールオン4と同じように行います。
事前の検査で、チタンを埋め込む部分を6カ所決めますが、最近はCTにより、三次元的に骨の状態が分かるようになりました。
コンピューターを使うことで、骨の厚みを把握し、どこにチタンを埋め込めば1番いいかということも計算して、安全に治療が行えるようにします。
事前に埋め込む場所を記したプレートを作成することもあります。

オールオン6も一日で治療が可能

オールオン6も、オールオン4と同様にチタンを埋め込む手術をした日のうちに仮歯まで装着することができます。
仮歯とチタンはしっかりと固定されるので、グラグラすることはありません。
仮歯と言えども、白い色で作られているので、見た目に困ることもなく、入れ歯よりもきれいな見た目になることができます。
その日のうちに噛めるというのは、他のインプラント治療にはない大きなメリットと言えるでしょう。

オールオン6も短期間で行うことができるインプラント治療です。
従来のインプラントは、1つのチタンを埋め込むだけで30万円ほどの費用が必要で、上の歯が全てない場合は700~800万円ほどかかってしまいました。
けれども、オールオン6であれば、上の歯が全てない場合でも、200万円ほどの費用で治療を行うことができます。
従来のインプラント費用の半額以下の金額になり、経済的な負担を減らすことができました。